中性脂肪が高い・低い原因とは?無理なく減らす5つのポイント

美容・健康

健康診断でお馴染みの「中性脂肪」ですが、数値が高いのに放置していませんか?

数値が高いまま放置していると、動脈硬化などの様々な命にかかわるリスクを高めてしまうこともあります。また、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞に襲われる可能性もある、非常に危険なものです!

そこで今回は、中性脂肪の本当の恐ろしさをご紹介します!

中性脂肪とは?

中性脂肪とは、体内であまり過ぎたブドウ糖(糖質)が、体内に蓄えられる際に変化したものです!

人のエネルギー源は、脂質や糖質ですが、糖質は体内に入るとブドウ糖に分解され、エネルギーとして使用されます。その際にあまり過ぎたブドウ糖は、肝臓や筋肉にグリコーゲンという形で蓄えられ、ブドウ糖が不足した非常時に再びブドウ糖に戻り、再度利用されます。しかし、蓄える容量には限界があり、肝臓や筋肉に蓄えることのできない糖質が、体内に蓄えられる際に変化したものが中性脂肪です。

中性脂肪は、体に蓄えられる脂肪の総称の「体脂肪」としても使われることもあり、体脂肪は脂肪がつく場所により、「皮下脂肪」や「内臓脂肪」・「異所性脂肪」等に分けられます。脂肪は、「皮下脂肪→内臓脂肪→「異所性脂肪」の順番で蓄積されていくとされていますが、内臓脂肪と並行して異所性脂肪が蓄積されていくという見解もあります。

(1)第一の脂肪:皮下脂肪

皮下脂肪は、皮膚の下にある皮下組織という部分につく脂肪のことです。体温を維持したり、エネルギーを貯蔵したり、外からの衝撃に対するクッションの役割を果たします。「男性よりも女性につきやすい」、「なかなか貯まらないが、一旦たまると落としにくい」などが特徴です。

(2)第二の脂肪:内臓脂肪

内臓脂肪は、内臓の周りにつく脂肪のことです。内臓脂肪がたまるとお腹がポコッと出てきますが、その腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準の一つになっています。「溜まりやすく落ちやすい」、「男性や閉経後の女性につきやすい」などが特徴です。

また、内臓脂肪は悪玉ホルモンを出して動脈硬化を進めたり、高血圧を招くだけでなく、血液の中性脂肪も増やす原因にもなります。

(3)第三の脂肪:異所性脂肪

異所性脂肪とは、皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪組織に入りきらなくなった脂肪が、肝臓や筋肉の中・心臓の周りなど、本来溜まるはずのない場所につく脂肪のことです。異所性脂肪は、臓器の働きを低下させうのが特徴であり、脂肪肝や肝炎・肝硬変・肝臓がん、心疾患などのリスクも高めてしまう、非常に怖い脂肪です。

中性脂肪が身体に及ぼす様々な悪影響とは?

(1)肥満症がメタボリックドミノの引き金に

中性脂肪は、身体には必要な物質ですが、必要以上に増えすぎてしまうと、血管に悪い影響を及ぼしたり、身体の色々な部分に溜まり過ぎて、様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

それが「肥満症」です!肥満症は、ただのポッコリお腹と思われている人も多いと思いますが、肥満症が最初の駒となり、それが倒れる事で様々な病気が連鎖する事をメタボリックドミノと言い、高血糖・血圧上昇・脂肪肝を第一段階の「症状」に、それが糖尿病や、高血圧症などの病気となり、最後は、がんや心疾患・脳卒中など、命に関わる病へと繋がる引き金になります。

(2)中性脂肪の摂り過ぎによる悪影響

中性脂肪の正常値は、30~149mg/dLです。これを上回る場合は、脂質異常症です。中性脂肪が体内で増え過ぎると、血液がドロドロになります。血液がドロドロすると、血管を詰まらせたり、傷つけたりして動脈硬化を進行させるリスクがあります。さらに、余分な脂質が血管壁に入り込んで血管をふさぎ、心臓病や脳卒中を引き起こす危険もあります。

また、血液がドロドロになると、身体の隅々まできちんと酸素や栄養が運ばれず、老廃物も溜まりやすく、健康面にも美容面にも影響が出てきます。

(3)中性脂肪の不足による悪影響

一方で、中性脂肪が少なすぎても問題があります。中性脂肪は「体内にエネルギーを貯蔵する」という大切な役割を担っています。そのため、中性脂肪値が基準値以下の場合、体内のエネルギーの蓄えが少ない状態なので、「疲れやすい」「十分に休んでもスタミナが回復しない」といったことが起こります。また、中性脂肪は身体の体温調節に関係しているため、低体温や末端の冷えなどの症状が現れることもあります。
さらに、中性脂肪に溶け込んで体内を巡っている「脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDなど)」が不足して、免疫力の低下や、抜け毛や肌荒れなどを起こす場合もあります。

中性脂肪が高くなる原因・増えてしまう三大要因

中性脂肪が増えてしまう原因の多くは、食べ過ぎや偏った食生活です。その中でも中性脂肪を増やす三大要因となっているのが、下記の3つです。

  • 乳脂肪分・脂質
  • アルコール
  • 糖質

乳脂肪は、バターやクリームなどに多く含まれ、脂質は、乳肉や豚肉などに多く含まれます。

アルコールは、肝臓で脂肪に作り変えられます。そのため、長い時間摂り続けると、中性脂肪を増やしてしまう原因になります。

糖質は、ご飯やパン・めん類、他にも和菓子や洋菓子など、私たちが日常に食べているものに多く含まれておりますが、中性脂肪を増やす原因になります。また、果物やハチミツ・ケーキやジュースなどにも糖質を多く含みます。

無理なく中性脂肪を減らす5つのポイント

中性脂肪の数値が高めの人は、食事内容の見直し・改善が必要です!また、中性脂肪を下げるためのポイントは、食材や調理法の選び方です。食事の傾向を見直し、余分に摂り過ぎているものを少し変えるだけで、無理なく中性脂肪を下げることが可能です。

(1)脂肪・脂質を控える

①脂肪・脂質を控える

バターやラード・パーム油・生クリーム・肉の脂身など、飽和脂肪酸を多く含む油は、LDL(悪玉)コレステロールを増やす働きがありますので、控えるようにしましょう!

②脂肪・脂質量の少ない食材を選ぶ

バラ肉やロース肉は、脂質やエネルギー量も高めです。そのため、食べることは構いませんが、食べ過ぎには注意しましょう。できればヒレ肉やモモ肉・ささみなどを選ぶと良いでしょう。また、鶏肉を食べる時は、皮や脂身を取り除いてから使うと、さらにヘルシーになります。

③脂肪・脂質量の少ない調理法を選ぶ

料理をする時、油を使うことも多いでしょう。しかし、たとえば「揚げる」と「焼く」では、使用する油の量も違いますし、出来上がった料理の脂質の量も異なります。
油を使って素材を調理する時は、「焼く」→「炒める」→「揚げる」の順番で油が増え、それに伴って脂質やエネルギー量も増えていきますので、揚げ物は、「焼き」や「茹で」たりする調理法に変更するように工夫しましょう。

④魚に含まれるDHAやEPAは多く摂取する

その一方で、魚の油に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果が期待されますので、多く摂取しましょう。

(2)アルコールは1日25gを目安に摂る

出典:厚生労働省

アルコールも中性脂肪を増やす原因となります。そのため、一日のアルコールの摂取量は25gを目安にしましょう。ビールなら大瓶(633ml)1本、ウイスキーならグラス1杯程度、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度、焼酎なら0.5合程度にして、週に1~2日は休肝日を設けるように心がけましょう。

(3)糖質を控える

①甘い果糖に注意

果物には、果糖と言われる糖分が含まれているため中性脂肪を上げてしまいます。特に旬のブドウや梨、柿は糖分が高めです。どうしても果物を食べたい方は、グレープフルーツやキウイなどにしましょう。これらは果糖が少なく、中性脂肪にとって嬉しい果物です。

②菓子パンはおにぎりに変更

菓子パンは、カロリーも高く中性脂肪を上げる原因となりますので、菓子パンを食べるならおにぎりにしましょう。また、ジュースやスポーツ飲料なども糖質が多く含まれていますので、カロリーオフの飲料かお茶に変しましょう。さらに、ラーメンやカレーライス・早食いできるメニューは糖質や脂質が多い傾向にありますので、控えるとより効果的です。

③無理なダイエットは逆効果

無理なダイエットなどで糖質を完全にカットする人がいますが、「食後の血糖値上昇」や「筋肉を分解してエネルギーを補おうとする」、「基礎代謝が低下し太りやすい体質になってしまう」など、健康面でのリスクやダイエットの効果を妨げることになってしまいます。完全な糖質カットで意識障害などが起こることもありますので、糖質は、糖質を完全にカットするのではなく、食べ過ぎに注意することが大切です。

(4)食物繊維や植物性たんぱく質を摂る

①食物繊維を摂る

食物繊維は、脂質や糖質の吸収を抑える働きがあります。また、腸内で脂肪分やコレステロールを包み込んで体外に排出してくれますので、1日1食サラダを追加するなどして積極的に摂取しましょう。特に、野菜、豆類、海藻などに多く含まれる水溶性の食物繊維には、コレステロールを減らす作用もありますから、意識してたくさん摂るようにしましょう。

②植物性たんぱく質を摂る

さらに、植物性たんぱく質は、血中のコレステロールや中性脂肪の吸収を妨げる働きもありますので、こちらも積極的に摂取しましょう。植物性たんぱく質は、大豆や胚芽に多く含まれています。豆腐や納豆などの大豆食品を利用するのがおすすめですので、毎日の食事に豆料理を一品追加しましょう。

③動物性脂質の多い食品は控える

一方で、ハムやベーコン・ソーセージ・バター・チーズなどの動物性脂質の多い食品は中性脂肪を増やすもとになりますので、控えるようにしましょう

(5)ウォーキングなどの運動を行う

食事内容に気をつけることと同様、適度な運動を行うことも大切です。ウォーキングや水中運動・スロージョギング・エアロバイクなどの有酸素運動を週に数回続けることで、効率よく中性脂肪を減らすことが可能です。ウォーキングは息がはずむ程度の負荷量で行いましょう。

毎日仕事が忙しくて運動の時間を思うように取れない場合は、「通勤時に早歩きする」「一駅分歩く」「エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う」「ちょっとした待ち時間に踵上げをしてみる」など、できる範囲で身体を動かすことから始めてみてはいかがでしょうか?

まとめ

中性脂肪は、必要以上に増えすぎてしまうと、メタボリックドミノの引き金になるなど様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

中性脂肪の数値が高めの人は、食事内容の見直し・改善が必要です!中性脂肪の改善は、やめると数値が戻ってしまいますので、継続していく事が大事です。自分に合った方法で中性脂肪対策を行いましょう。

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