気付かないうちに肌をむしばむ紫外線。春から初秋にかけその強さはピークになります。
紫外線といえばシミやシワ・たるみの原因になるというイメージがありますが、実はそれだけではなく紫外線を浴びるということがストレスになり、疲れを引き起こすということも分かっています。
そこで今回は、太陽光の知識と身体への影響、そして正しい紫外線対策法をお伝えします!
太陽光に含まれる光の種類
地上に届く太陽光は、 目に見える光「可視光線」のほかに、目に見えない「赤外線(近赤外線)」や「紫外線」があります。紫外線は、地表に届く光の中で最も最も波長の短い光で、波長によってUVA(紫外線A波)・UVB(紫外線B波)・UVC(紫外線C波)に分かれますが、UVCは空気中の酸素分子とオゾン層によってさえぎられますので、実際に地表に届くのは、UVAとUVBです。
紫外線とは?
太陽光に含まれている紫外線の割合は、たった7%程ですが、人体に様々な影響を及ぼすと言われています。
UVAは、地上に降り注いでいる紫外線の約95%を占めていて、肌の奥(真皮)まで入り込み、コラーゲン・エラスチン線維を破壊しハリ・弾力を低下させ、シワやたるみをまねく原因になります。
一方、UVBは約5%と降り注ぐ量は少ないのですが、日焼けやしみ・そばかすの原因のひとつとされています。
紫外線による影響は私たちにとって、いいこともあれば、わるいところもあります。正しい知識を身につけていきましょう。
近赤外線とは?
太陽光に含まれる紫外線の量が全体の約7%に対して、近赤外線は約43%です。
近赤外線は、そのふたつの紫外線よりも波長が長い太陽光です。さらに深い筋膜まで到達してダメージを与え、たるみを引き起こします。
変動する紫外線量
紫外線は私たちの目には見えませんが、太陽光(日射)の一部であり、基本的な性質は可視光線と同じです。「季節」や「日内・時刻」・「天候」・「場所」などにより紫外線の絶対量や日射量に占める割合は変化します。
「季節」で変わる紫外線量
紫外線は春から初秋(4月~9月)にかけてに強く、冬には弱まりますが、これは、紫外線が大気層(オゾンなど)を通過する距離と関係があります。例えば日本の場合、太陽が最も近づく夏至の頃は、紫外線が大気層を通過する距離が短いため、強い紫外線のまま頭上に降り注ぎます。反対に、太陽が最も遠ざかる冬至の頃は、紫外線が大気層を通過する距離が長くなるため紫外線も弱まります。UVBは夏に比べ冬はおよそ5分の1にまで減るのに対し、UVAは夏に比べ冬は2分の1程度と変動量が少ないため、冬でも十分な紫外線ケアが必要です。
「日内・時刻」で変わる紫外線量
一日の中で、紫外線が強いのは午前10時から午後2時頃です。特にこの時間帯は肌を紫外線から守るようにしましょう。ただし、日中に比べて日差しの弱まる朝方や夕方でも、UVAの量に大きな変化はありません。そのため、朝・夕であっても紫外線ケアを心がけましょう。
「天候」で変わる紫外線量
紫外線は雲によりある程度遮断されますので、曇りや雨の日には地表に到達する量は減少します。紫外線は晴れの日を100%とした場合、曇りの日はおよそ60%、雨の日でもおよそ30%降り注いでいます。しかし、UVAはUVBに比べ雲による影響が小さいため注意が必要です。また、UVBでも薄い雲ではその80%以上が透過してしまいます。
「場所」で変わる紫外線量
赤道に近づくほど、また、高地になるほど紫外線は強まりますので、場所によって紫外線量は異なります。年間の紫外線量は、沖縄と北海道では2倍程度の違いが見られます。また、標高が1000m上昇するごとにUVBは10~12%増加します。
また、地表の表面状態によっても紫外線の「反射率」は異なります。新雪はおよそ80%、砂浜はおよそ10~25%、コンクリート・アスファルトはおよそ10%を反射します。一方、水面はおよそ95%を透過しますので、水の中であっても、注意が必要です。夏の浜辺、冬の雪山でのレジャーでは紫外線ケアが大切になります。
紫外線による身体への影響
身体への影響①:シミ・シワ・たるみ
肌が紫外線を浴びると、表皮の一番下にあるメラノサイトという細胞が活性化して黒いメラニン色素を分泌し、肌を黒くします。通常メラニンは一定期間経つと生成されなくなり剥がれ落ちますが、紫外線を浴び続けると、メラノサイトに異常が起こってメラニンを過剰に分泌し、それがいつしかシミになってしまいます。
さらに、コラーゲンなどを作り出す機能が低下し、真皮と呼ばれる肌の内部構造が崩壊、皮膚の一部にひずみができてシワやたるみの原因になります。
身体への影響②:疲労・白内障の原因
紫外線は細胞や遺伝子を傷つけます。すると身体はそれらを修復しようと活動し、私たちの意思とは関係なく体力を消費するため疲労度が増します。日向にいたときと日陰にいたときの疲労度には大きな違いがあります。
紫外線による細胞レベルの障害は日焼け止めで防ぐことができますが、紫外線が目にあたると目の表層に炎症が起こり、その刺激が脳に伝わって身体がストレスを感じます。
つまり、紫外線による疲労の落とし穴は「目」と言えます。さらに、紫外線は白内障の原因にもなります。紫外線の脅威が増すのは午前から昼の時間帯ですが、目に対しては、紫外線がダイレクトに入る午前9時と午後2~3時ごろが注意すべき時間とされています。
身体への影響③:皮膚がん
UVB波は波長が短く、皮膚に炎症を起こして日焼けの状態を作ったり、細胞のDNAに傷をつけて皮膚がんを引き起こしたります。
紫外線対策
紫外線対策①:日傘
日傘は、経年劣化で繊維が傷んで、UVカット率が下がることがあります。1~2年で買い替えたり、UVカットスプレーをかけるなどの対策をしましょう。色は黒がおすすめです。さす時にはまっすぐ頭に近づけ、顔を守るようにしましょう。肩にかけると、浴びる紫外線量がアップしてしまいますので、注意しましょう。
紫外線対策②:帽子・ストール
帽子は全体にツバがあるものにしましょう。また、メッシュは涼しいですが、少し日が入ってくるので、紫外線対策であればメッシュではない方がおすすめです。
さらに、首に巻くストールがあると首への直射日光を防ぐことができ、熱中症対策にもつながります。
紫外線対策③:サングラス
レンズの色が濃いサングラスでは瞳孔が開いてしまいますので、逆に紫外線を多く取り込んでしまいます。最近のサングラスは色に関係なく紫外線をカットしてくれますので、選ぶ際には紫外線カット率に注目しましょう。
さらに紫外線は、反射によって横からも入ってきますので、目の周りをしっかりと覆う形のものがおすすめです。
紫外線対策④:洋服
紫外線を防ぐなら黒が一番ですが、黒以外では黄色の紫外線カット率が高く96%です。青は91%、赤は90%です。これからの季節は、正しい紫外線対策をしてお出かけを楽しみましょう。
紫外線対策⑤:窓ガラス
窓ガラスは、特殊な加工が施されていない限り、シワの原因となるUVAと近赤外線は室内まで侵入してきます。そのため、快適に過ごすためにもカーテンなどでしっかりカットしましょう!
まとめ
30年前と比べて、太陽光の影響は大きくなっていると言われています。そのため、肌の若々しさを保ちたい人は、 シミ・シワ・たるみの原因となる紫外線と近赤外線対策がマストです。
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