怒りで失敗しない?アンガーマネージメントの意味と効果とは?

美容・健康

皆さんは、怒りすぎて失敗したことはありませんか? 「あのとき、もっと怒っていればよかった」「なんであんなに怒ってしまったのだろう」と怒りについて後悔することはありませんか?

怒りっぽい人は、心筋梗塞で死亡する率が、そうでない人の5倍高いというデータもあるくらい、怒りは万病の元になります。

そこで今回のテーマは、今話題の「アンガーマネージメント」の意味と効果をご紹介します!

アンガーマネージメントとは?

人間は誰しも怒りの感情を持っており、怒りを抑え過ぎるのも良くありません。そこで大切なのが怒りとどう付き合っていくか、怒りをどうやりくりするかということです。

アンガーマネジメントとは、「怒りをコントロールするスキル」のことです。英語で言うと、「アンガー」は怒り、「マネジメント」は管理するという意味になります。人間が抱える混沌とした怒りや悲しみ、劣等感などを自分の中で整理し、その状況を客観的に見ることで、怒りなどの強い気持ちが生じても、それを適切にコントロールし、怒りと付き合うための心理トレーニングのことを言います。

アンガーマネジメントは、決して「怒り」を悪だと捉えるものではありません。例えば私たちは、日常のなかで「あのとき、もっと怒っていればよかった」「なんであんなに怒ってしまったのだろう」と怒りについて後悔することがよくあります。このように後悔しないためにも、怒りを上手にコントロールすることが重要なのです。

アンガーマネジメントを身に付けていないと、周りに八つ当たりしたり、自分を理解してくれない相手へ威圧的な態度を示したりなど、適切でない行動をしがちになります。特に、職場においては、さまざまな人間関係が行き交う場所ですし、「怒り」が職場において適切に用いられていないと仕事の能率や生産性に影響を与えることから、現在は多くの企業が研修に取り入れています。アンガーマネジメントのスキルを身に付けることで、今後の生活は大きく変わると思います。

アンガーマネジメントの歴史

アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれた心理トレーニングであり、もともとはDV(家庭内暴力)やマイノリティのメンタルヘルスプログラムなどのカウンセラーやセラピストたちの間で怒りの感情と上手に付き合うための方法から発展したという説が有力です。

その後、軽犯罪を犯した人に対する矯正教育プログラムとして採用され認知が広がり、また、2001年に起きた世界同時多発テロ事件による社会不安により、アメリカ国内で一気に注目されるようになりました。誕生から約50年経った現在、アメリカ全土の企業や教育機関などに導入され、プロアスリートのメンタルトレーニングなどにも取り入れられています。

日本でアンガーマネジメントが知られるようになったのはこの約10年ほどです。特にパワハラが社会的に問題となっていること、そしてコロナ禍で不安が広がる情勢を背景に、現在さらに広く浸透しつつあります。今では企業における研修・医療の世界・青少年教育・人間関係のカウンセリング・アスリートのメンタルトレーニングなどの分野で幅広くアンガーマネジメントは活用されています。

怒りの原因はコアビリーフ?

「怒り」はアレルギーに似ています。何か出来事があったときに、怒る人もいれば怒らない人もいるからです。それではどういう時に私たちは怒るのでしょうか。それは自分が信じている「コアビリーフ」が裏切られたときです。
コアビリーフは、自分の中で「こうあるべき」と信じているものです。私たちは、自分のコアビリーフと同じものは許せます。少し違うけど許せるものもあるでしょう。しかし、それを超えて許せないというゾーンに入ってしまった事柄が、その人にとっての怒りになります。
大切なことは、コアビリーフは人によってそれぞれ違うということです。「少し違うけど許せる」という範囲が狭いと、怒ることが多くなってしまいます。自分のコアビリーフの許せる部分の範囲を広げるよう意識してみると、怒らずにすむことが増えるかもしれません。また、怒るときも激高するのは良くありません。穏やかに諭すように、上手に怒りを吐き出しましょう。

怒りと健康の関係

怒りの感情には、「自律神経」が関係しています。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、怒ると交感神経が優位になってきます。

交感神経が活発になると血圧を上げるよう身体に指令を出しますので、血圧が上がって血管もダメージを受け、血液が十分に心臓や脳に運ばれなくなってしまいます。その結果、怒りっぽい人の心筋梗塞の発症率はそうでない人のおよそ5倍、脳梗塞も2倍ほど多いと言われます。

日本アンガーマネジメント協会が開発!アンガーマネジメント診断

「一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会」が開発し、著作権を有する「アンガーマネジメント診断」では、同診断を行うことで、自分の怒りのタイプが見えてきます。

<点数>

下記の質問に1~6段階で答えてください。

  • まったくそう思わない・・・1点
  • そう思わない・・・2点
  • どちらかと言うとそう思わない・・・3点
  • どちらかと言うとそう思う・・・4点
  • そう思う・・・5点
  • すごくそう思う・・6点

<質問>

  • Q1. 世の中には尊重すべき規律があり、人はそれに従うべきだ
  • Q2. 物事は納得いくまで突き詰めたい
  • Q3. 自分に自信があるほうだ
  • Q4. 人の気持ちを誤解することがよくある
  • Q5. なかなか解消できない、強いコンプレックスがある
  • Q6. リーダー的な役割が自分に合っていると思う
  • Q7. たとえ小さな不正でも見逃されるべきではない
  • Q8. 好き嫌いがはっきりしているほうだ
  • Q9. 自分はもっと評価されていいと思う
  • Q10. 自分で決めたルールを大事にしている
  • Q11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ
  • Q12. 言いたいことをはっきりと主張すべきだ

<診断>

「Q1 + Q7」、「Q2 + Q8」、「Q3 + Q9」、「Q4 + Q10」、「Q5 + Q11」、「Q6 + Q12」と、6通りの足し算を行います。

一番高い点数だったものが、あなたのタイプです。

<診断結果>

(1)Q1 +Q7の点数が一番高かった人:公明正大タイプ

自分の考え方や信念を大切にし、定めた目標に向かって努力するタイプです。正義感が強く、道徳心も高いため、ルール違反や 社会的に正しくないと思うことについては、怒りが沸き、公共の場でも迷わず介入する場合もあります。

(2)Q2 +Q8の点数が一番高かった人:博学多才タイプ

向上心が高く、何事も挑戦しようという前向きなタイプです。完璧を追求してしまいますので、なんでも白黒をつけないと気がすまないタイプで、はっきりしない優柔不断な人や考え方が違う人に対して、怒りを感じる傾向があります。

(3)Q3 +Q9の点数が一番高かった人:威風堂々タイプ

自分に自信を持ち、リーダー的素質を兼ね備えるタイプです。しかし、プライドが高く、軽んじられたり、大切にされなかったりするなど、自分への評価を低くされたりすると怒りやストレスを感じるタイプです。

(4)Q4 +Q10の点数が一番高かった人:外柔内剛タイプ

外見は穏やかに見えますが、確固たる自分の意思を持っているタイプです。自分の決めたことはやり通すことを信条にしていますが、自分が決めたルールに反しているとストレスの原因となり、ささいなことで怒りが生じることがあります。

(5)Q5 +Q11の点数が一番高かった人:用心堅固タイプ

真面目な性格で、物事を自分自身で客観的に判断できるタイプです。何事にも慎重に行動しますので、新たな挑戦やギャンブルは好みませんが、物事をネガティブな方に誇張して考える傾向があり、大しした事ではないことも必要以上に悪く捉えて怒ってしまうことが多いタイプです。周りに頼ることが苦手であるため、ストレスが溜まることが多いのが特徴です。

(6)Q6 +Q12の点数が一番高かった人:天真爛漫タイプ

自分の気持ちを正直に伝えることができ、行動力もあるタイプです。ただし、後先考えずにとにかく行動し、素直すぎてストレートに物事を伝え、空気を読むことが苦手なタイプですので、なかなか思ったように進まない、時間がかかるということにイライラしやすいタイプです。

怒りをコントロールする方法

6秒数えて待つ

別名「6秒ルール」とも言いますが、怒りが生じたときに6秒数えることが、怒りを鎮める効果的な方法だと考えられています。これは、人間の怒りのピークが長くても6秒であることからきており、職場で怒りが爆発しそうなときは、まず6秒間数えることからアンガーマネジメントをはじめてみましょう。

しかし、怒りを感じたときに6秒待つということは大変なことでもあります。慣れるまでは、その6秒をやり過ごすために、怒りの詳細を日記などに書き出す(アンガーログ)ことがおすすめです。

アンガーログ

「アンガーログ」とは、イラッとしたことをその場で書き留める、いわば怒りの日記です。これは読み返して客観的に見ることが大切です。自分がどういう事で怒るのか分かり、怒りを回避するための方法も見つかります。この方法を試したある職場では、毎年10名以上いた離職者が昨年はゼロになるという、効果もあったようです。

怒りの場所から離れる

怒りが生じたその場にいると怒りがどんどんわいてきそうという場合は、トイレに行ったり、飲み物を買いに行ったりして、「その場から離れる」ことが効果的です。怒りの焦点から気をそらすことで、冷静になることができます。

深呼吸をする

「深呼吸」は、言わずと知れた怒りのコントロール方法です。深く息を吸って、いったん止めてゆっくりと吐き出すだけで、怒りを鎮めることができます。何度か繰り返すことで、副交感神経の働きが高まり、リラックスすることができます。怒りをもったままでいると、交感神経が高ぶり、体が休まらず、疲労がたまってまたイライラしやすくなってしまいます。深呼吸をうまく活用すれば、心からも体からも緊張がとれ、仕事をスムーズに行えるようになります。

自分の価値観を広げる

私たちの多くは、「~するべき」という自分の中の価値観を持っており、他人がその考えと異なっていると、怒りを生じます。そのため、自分が考える「~するべき」という自分の価値観を相手の価値観にも求めないという考え方を持つことが大切です。

自分でコントロールできること以外は気にしない

「電車が遅れている」や「渋滞で車が進まない」など、自分の力で行動のコントロールができない事柄に関しては、エネルギーを使わないようにすることも大切です。イライラすることもあると思いますが、イライラしたところで起きている事柄は改善しませんので、無駄なエネルギーを使わないようにしましょう。

日本アンガーマネジメント協会による研修・講座

日本アンガーマネジメント協会では、アンガーマネジメントファシリテーター養成講座や無料オンライン説明会を開催中ですので、興味ある方は受講されてみて下さい。

日本アンガーマネジメント協会 (angermanagement.co.jp)

まとめ

笑う事も大切です。いつも口角を上げて笑顔を作って話をするのも良い方法です。自分のやりやすい方法で怒りをコントロールし、心も身体も健康になりましょう。

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