自律神経の乱れや血液の循環不良?冷え症になる8つの原因とは?

美容・健康

寒さが増してくると、「手先や足先が冷たくなる」「いったん冷えると温まりにくい」と訴える人も多くなるのではないでしょうか?「毎年のことだから…」と諦めている人、冬でなくとも同様の症状で困っている人もいると思います。

そこで今回は、冷え症になる8つの原因をご紹介します!

ヒトが体温を保つしくみ・冷えのメカニズム

人間はもともと体温が大きく変動する動物ではなく、気温が変化しても一定の体温に保とうとする「恒温動物」です。私たちの身体は、血液の流れる量を変化させたり、汗をかいたりすることで、体温を一定に保つよう調節されています。

ヒトが体温を保つしくみ・冷えのメカニズムは下記の通りです。

冷え症の人はさまざまな原因がありますが、上記の体温調節メカニズムがうまく働いていない状態であると考えられます。下記を参考に原因追及をしましょう。

冷え症になる8つの原因

冷え症とは、血液の流れが悪いために毛細血管へ温かい血液が流れず、手足などが冷えてしまう状態のことです。本来は働くべき体温調節機能がうまく機能していない状態であり、気温とは関係なく体が温まりにくく慢性的に冷えているような状態ですので、冬場だけではなく真夏であっても冷え症の症状は出ます。

冷え症には日々の生活習慣が大きく関わっています。その主な原因をいくつか挙げてみましょう。

冷え症の原因①:自律神経の乱れ

自律神経は、循環・呼吸・消化・分泌・排泄・血液循環・体温調節など、基本的な生命活動(自律機能)の維持にために、無意識的に24時間働き続けている神経のことです。自律神経は、内臓・心臓・血管・消化器などほぼ全身に分布さており、生命の恒常性(ホメオスタシス)の維持に重要な役割を果たしており、体内の体温調節も役割のひとつです。

しかし、気温差や気圧の変動、ストレス、睡眠、月経前や更年期などの原因によって、体温調節の機能がうまく働かなくなってしまい、それが冷え症の原因となります。

冷え症の原因②:血液循環の悪化(貧血・低血圧・血管系疾患)

血液は、身体の隅々の細胞まで酸素や栄養を運び、二酸化炭素や老廃物を回収する働きをしています。さらに、体内で作られた熱を全身に伝えることで体全体を温めているのも血液の働きです。

しかし、貧血や低血圧・血管系などの疾患がある人は、血流が滞りやすくなります。すると、温かい血液が毛細血管に流れなくなってしまい、冷え症の原因となります。

冷え症の原因③:筋肉の量が少ない(女性・運動不足)

熱は体内でも産生することができますが、身体の部位ごとで分けると、筋肉が約38%、肝臓が約12%、胃腸と腎臓がそれぞれ約8%、脾臓が約6%、心臓が約4%、その他が約24%と、筋肉は熱を産生する器官で人体最大のものです。つまり筋肉量が少ないと、生み出せる熱が少ないのです。さらに、筋肉が伸縮することでポンプのように血液を送り出す働きがありますので、全身の血液を循環させて身体を温めます。

女性は男性に比べて筋肉量が少なくなります。そのため、運動によって作り出される熱量が少ない上に、ポンプ血流量が弱くなりますので、女性に冷え症が多い原因となります。また、女性に限らず、運動不足によって筋力量が少ない人も身体は冷えやすくなります。

冷え症の原因④:女性ホルモンの乱れ(月経・出産・閉経)

女性は、月経・出産・閉経といったライフステージでの変化があり、女性の心身をコントロールする女性ホルモンの分泌が乱れやすい傾向にあります。ホルモンバランスが乱れると、体温調整をしている自律神経が影響を受けて、血液の循環が悪くなり冷え症の原因となります。

人によって感じ方はさまざまですが、「生理中は体が冷えやすい」「冷えにより生理痛がひどくなる」という方もいます。また、女性ホルモンの量がぐんと減る更年期には、冷えがひどくなるという方が多くなります。

冷え症の原因⑤:ストレス

人はストレスを感じると、自律神経のバランスを崩しやすくなります。自律神経は、緊張状態で優位となる「交感神経」とリラックス状態で優位になる「副交感神経」の2つがバランスを保って、身体の機能(循環・呼吸・消化・分泌・排泄・血液循環・体温など)を調節しています。

しかし、仕事や家事・温度差などのストレス過多の状態が続くと「交感神経」優位の状態が長くなり、身体は緊張状態が続いてしまいます。すると、末梢の血管も常に収縮状態となり血行不良を招き、冷え症の原因となります。

冷え症の原因⑥:食生活・生活習慣の乱れ

体温は、早朝が最低で、朝食を摂ると共に上がり、昼過ぎから緩やかに上昇した後、夕方にピークを迎え、夜間に向かって下がっていきます。

しかし、朝食抜きなどの食事を摂らなかったり、冷たい飲食物や甘い物、ファストフードやスナック菓子を食べすぎることや、無理な食事制限を伴うダイエットによるミネラル・ビタミン不足に陥ることなど、食生活の乱れによって身体を冷やし、血液をドロドロにして循環を悪くする原因となります。

また、昼夜逆転の生活や、エアコンの効いた室内で冷たいものを食べたり、室内でゴロゴロする時間が長かったり、身体の体温調節機能を使わない生活をし続けて(生活習慣が乱れて)しまうと、自律神経のバランスが崩れ、体温調節機能の働きが低下し、冷え症の原因となります。

さらに、ファッションが優先され、寒い日でも薄着をし、手首・足首・首といった冷えやすいポイントを露出していると、冷え症を悪化させる原因となります。

冷え症の原因⑦:皮膚感覚の乱れ

皮膚感覚とは、触覚・圧覚・冷覚・温覚・痛覚などを指し、皮膚や粘膜などの体表面で受ける感覚のことです。

しかし、きつい下着や靴などで身体を締めつけすぎてしまうと、血行が滞り「寒い」と感じる皮膚感覚が麻痺してしまうことがあります。すると、体温調節の指令が伝わりにくくなってしまい、冷え症の原因となります。

冷え症の原因⑧:喫煙

タバコ(喫煙)は、急激に血管を収縮させてしまい、血液の流れを悪くしてしまいます。すると、基礎代謝も低下させ、冷え症の原因となります。

隠れた病気があることも?

冷え症(手足の冷え)、自律神経の乱れや血液の循環不良が関係する場合が多いですが、さまざまな対策を講じても治りにくい場合には、他の病気が隠れている場合もあります。

低血圧や貧血・膠原病や甲状腺機能低下症・脊柱管狭窄症などが考えられるほか、手足の動脈が詰まって血行障害を起こす閉塞性動脈硬化症(ASO)は運動不足やタバコの吸いすぎの人に多くみられます。また、レイノー病、バージャー病、全身性エリテマトーデス(SLE)なども、冷え症(手足の冷え)に似た症状があらわれますので、たかが冷えと軽視せず、気になる方はお近くの医療機関で診察を受けましょう。

まとめ

冷え症は、自律神経の乱れや血液の循環不良などが大きく関係していますが、体温調節メカニズムがうまく働いていない状態であると考えられます。しっかり原因追及をしましょう。

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