日常生活で血圧が上がる10の原因と下げる方法とは?

美容・健康

「高血圧」は、脳卒中や心筋梗塞・腎臓病などの原因となり、日本でも4000万人以上という最も患者数の多い生活習慣病です。

血圧は、脳卒中や心筋梗塞・腎臓病などを予防する上で非常に重要となりますが、高血圧は自覚症状がほとんどありませんので、病気に対する理解や危機感が乏しいのも事実です。そのため、高血圧を、甘く見て放置していると、10年後・20年後には怖い病気になる可能性もあります。

そこで、今回は、日常生活で日常生活で血圧が上がる原因と高血圧の予防・治療法についてご紹介します!

日常生活で血圧が上がる10の原因と下げる方法

「血圧」は、加齢で血管の弾力性がなくなる、肥満で血液量が増える、遺伝のためなどさまざまな原因で上昇します。「血圧」が高くなると動脈に刺激が加わり傷ついてしまいますが、その傷を修復することで血管の壁が厚くなり、動脈硬化が進行することもあります。その結果、心筋梗塞や脳卒中など、さまざまな血管の病気を引き起こすと言われています。

他にも日常生活の中には様々な要因がありますので、血圧の値が高い人は特に注意しましょう。

(1)塩分

血圧を上げてしまう一番の原因が「塩分」です。塩分を摂りすぎると、血中の塩分濃度が上がります。そのため、その濃度を薄めようと組織や細胞から水分が血管内に引き込まれます。すると、血液量が増加し血管内の圧力が高まってしまいます。

血圧を上げないためには、塩分の摂取を抑えることが、最も重要と言えます。厚生労働省が定める1日あたりの塩分摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満となります。血圧を上げないために、日頃から塩分の摂りすぎに注意し、1日1.5リットル以上の水分補給を目安に水を飲みましょう。

(2)起床時:起床後1時間以内

1日の中で血圧の変動が最も大きいのが朝であり、「起床後1時間以内」が最も心筋梗塞を発生しやすい時間帯と言われています。特に、朝起きて温かな布団から出る瞬間が要注意です。
そのため、目が覚めてもすぐに布団から出ず、布団の中で横になったまま2〜3分手足をユラユラと動かし、血液循環を良くしてから布団を出るようにしましょう。

また、朝はただでさえ血圧が上がりやすくなっていますので、過度な運動やストレスは避けるようにしましょう。本来身体に良い運動でも、高齢の人にとっては負担になりかねませんので、休憩をはさみながら軽めに行いましょう。

(3)二度寝

朝は血圧が上がる傾向にありますが、「二度寝」をすると、短時間で深い睡眠に入りますので、血圧が急降下し、起床後に大幅な急上昇を招いてしまいます。また、夏の朝は脱水を起こしやすくなりますので、就寝前と起床後の水分補給を忘れずに行いましょう。

(4)食後

食事中は、咀嚼などで血圧は上がります。しかし、「食後」は、消化管から出るホルモンの影響によって、消化のために腸などに血液が集中して血圧が低下します。それに加え、食後すぐに立ち上がって片付けなどを行うと、起立性低血圧(血液が足にたまり、心臓より上に血液が行きにくくなる状態)も引き起こします。

食後低血圧は、誰にでも起こりやすく通常時間が経つと戻りますので、あまり問題はありません。急な血圧低下の予防には、食後にコーヒーや紅茶などのカフェインを飲むことで予防することができます。

(5)寒暖差・温度差(外出・就寝中のトイレ)

外出

血圧が上がる原因として、「寒暖差や温度差」も非常に重要になります。暖かい(熱い)所から寒い所へ移動すると、身体は熱を逃さないよう血管が収縮し血圧上昇につながります。

夏は気温が高いため、血管が開いて血圧が下がる人が多くなります。血圧が下がること自体は良いのですが、急に上がったり下がったりすることが多くなり、血管そのものにもダメージを与えることがあるため、急激な変化には気を付ける必要があります。晴れていたのに急な雨で体温が奪われた時や、炎天下を歩いていて涼しい室内に入ったときなど血圧が大きく上下する危険性があります。また、外気温が非常に高いため、急に寒い所へ行くと血管が収縮し、血圧が上がります。夏は冷房によって至る所に寒暖差がありますので、寒い所へ行く時は上着を羽織りましょう。

冬は外出するとき、20分~30分ほど前に首にマフラーを巻いて首回りを温めておくと、寒暖差による血圧の急上昇を予防することができますので効果的です。手足には動静脈吻合という動脈と静脈をつなぐ場所がありますが、首にはその血管を開くセンサーがあり、温めるとそれが作動するため末梢の血管まで開いて血圧が下がるのです。また、外出時だけではなく、帰宅時も注意が必要です。帰宅後はまず暖房をつけて室内を温めて、部屋が温まった30分後くらいにコートなどの上着を脱ぐと、急激な血圧上昇の予防に良いです。
また、ベランダで洗濯物を干すなどの短時間の行動でも、上着を羽織り、靴下や靴を履いて足元まで防寒することが大切です。

就寝中・明け方のトイレ

脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクが高くなる危険な時間帯が、“魔の3時間”と言われる朝の6時〜9時です。
そのため、「就寝中や明け方のトイレ」には要注意です。排尿だけでも血圧が上がりますが、布団の中とトイレでは温度差が激しくなりますので、寒暖差による血圧上昇が起きてしまいます。
トイレに行くときにも手間を惜しまず、カーディガンを羽織ったり、スリッパを履いたりして寒暖差を予防しましょう。男性は、座って排尿を行うと血圧の上昇をより抑える事ができます。また、夜の間トイレの電気をつけっぱなしにしておくと、中が暖かくなります。電気代は月80円程度なのでぜひお試しください。

一方で、「排尿後低血圧」というものがあり、膀胱に尿を溜め腹圧が大きくかかった状態から一気に排尿すると、血圧が下がってしまいます。ひどいときには失神することもありますので、注意しましょう。

(6)お酒・飲酒・飲み会

「お酒」の飲み過ぎには注意が必要です。お酒を飲むと1~7時間は血圧が下がりますが、飲み過ぎてしまうと翌朝の血圧は上がりやすくなります。また、飲酒を制限している時より、お酒を飲んでいる時の方が日中の血圧が高くなるという研究データもあります。

お酒は適量であれば問題ありませんので、適量を飲むようにしましょう。1日のお酒の適量は、ビールは500mL、ワインは180mL、日本酒は1合(180mL)です。お酒には利尿作用があり、飲み過ぎには脱水を招く恐れもありますので、適量を心がけましょう。また、おつまみも塩分が多いものは血圧上昇につながりますので、摂り過ぎには注意しましょう。

(7)ストレス

緊張や人との会話・仕事などの「ストレス」を感じると交感神経が刺激され、血管が収縮し血圧が上昇してしまいます。

そんな時は、深呼吸がおすすめです!深呼吸をすると血管を拡張させる「ブロスタグラジン」という物質が出て、血圧上昇の予防になります。ゆっくり息を吐くと静脈から心臓に戻る血液の量が減って心臓から出る血液の量も減るので血圧が下がります。

他にもおすすめなのが、手の親指と人差し指の間にある「合谷」というツボ。少し痛みを感じる程度に押すと上半身の血管が開き、血圧を下げる効果が期待できます。1日に3回程度、ストレスを感じた時に左右5分ずつ押してください。

(8)カラオケ

「カラオケ」は、ストレス発散になりそうですが、コブシがある曲や声を張り上げて歌う曲などは血圧が上がります。一人で続けて歌うのではなく、順番に歌うのが血圧のためには良いでしょう。

(9)入浴時

1月は、入浴時の心肺停止発生件数が最も多いシーズンです。脱衣所や浴室を温めるように心がけてください。入浴前にお風呂のドアを開けて湯船にシャワーをかけ、蒸気を脱衣所にも充満させることでどちらの温度も高めることができます。お風呂から上がる前にもドアを開けて、温かい蒸気を脱衣所に送り込むようにしましょう。

・入浴後低血圧
血管が温められて拡張し、血圧が低くなることで起立性低血圧が起こりやすい状態になります。浴槽からはゆっくり立ち上がりましょう。

(10)脱水

「脱水」状態になると、血液中の水分が減り、血液の量も減少します。すると血管への圧力が下がりますので、血圧も低下してしまいます。熱中症予防だけでなく血圧のためにも水分補給が大切です。

降圧剤以外で血圧を下げる方法

食事・運動・嗜好品などの生活習慣を修正することで、高血圧の予防や改善が期待できます。具体的には、減塩・肥満の予防や改善・飲酒している人の節酒などに加えて、運動習慣や食事のパターンの見直しなどが有効です。禁煙も推奨されています。その他、防寒や情動ストレスのコントロールも有効と言われています。

上記のような生活習慣の修正は、ひとつのみを集中して行うよりも、組み合わせて行うことで効果が期待できます。軽症な高血圧の場合には生活習慣の修正から治療を始めます。薬を始めた後でも、これらの生活習慣の修正は有効で、うまくいくと薬の量を減らすのに役立つ場合があります。また、高血圧の予防の観点からも生活習慣を見直すことは重要です。

降圧剤による治療と副作用

降圧剤による治療

引用:高血圧治療ガイドライン

降圧剤による治療は、生活習慣を改善しても血圧が目標までなかなか下がらない場合に行います。血圧を下げる薬には多くの種類があり、その中から患者さんの血圧値や全身状態・その他の病気の有無などによって最適な薬を決めていきます。

十分に血圧を低下させるためにはいくつかの薬を組み合わせなければならないこともありますが、最近では2種類以上の成分が含まれる配合剤が登場し、服薬の負担が少なくなるように工夫されています。服薬する量や時間帯は患者さんによってそれぞれですので、医師のアドバイスを受けましょう。また、自己判断で服薬を止めることなく、疑問があるときは医師に相談しましょう。

高血圧のほかに病気がある場合は、健康状態によっては使えない薬、あるいは慎重に使わなければならない薬があります。自分がかかっている病気や今飲んでいるお薬について、医師に正確に伝えるようにしましょう。

降圧剤の副作用

引用:高血圧治療ガイドライン

降圧剤を飲みたくないという患者さんの中には、薬の副作用が怖いからという人もいらっしゃいます。しかし、血圧の薬は多くの方が長期にわたって内服しますので、安全面で特に優れたものが選ばれています。

例えば、めまいや立ちくらみなどの副作用は、血圧の下がりすぎで生じることがあります。診察室では、白衣効果により血圧が高めに測定されますので、降圧剤の量が必要以上に多くなってしまうことがあります。家庭血圧をしっかり測定し普段の血圧を知る事ができれば、そのような副作用を防ぐことができます。また、かゆみや蕁麻疹などのアレルギーが起こった場合は、服用を中止して医師に相談しましょう。

まとめ

高血圧には分類があり、日常生活の中には様々な血圧が上がる要因があります。高血圧の方は、どの分類に属するのか、どのような行動で血圧が上がるのかを理解して、血圧を上げる要因を治療する事が大切です。

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