定期的に健康診断を受けていますか?
病気は早期発見・早期治療が大事になります。検査がめんどくさいからと言って、検査に行かなかったり、再検査の要請を「大丈夫だろう」と後回しにしていると、病気が重症化したり、治療が長引いたり、「早く検査しておけば良かった」と後悔することになります。
また、健康診断と言っても検査項目や料金もさまざまです。検査結果の診方やどんな病気のリスクがあるのか知りたい人も多いと思います。
そこで今回は、健康診断の検査項目や検査結果の診方などについてご紹介します!
健康診断の基礎知識:結果項目・検査料金・注意事項は?
基本的な「定期健康診断」の他に、気になる検査が自由に受けられるオプション検査があります。検査によっては事前に予約する必要があります。
検査項目
検査項目は、選択する健診やオプション検査によって異なりますが、「医師診療」・「血圧測定」・「身体測定」・「視力検査」・「聴力検査」・「心電図」・「尿検査」・「胸部X線検査」・「血液検査」が基本的な検査になります。
検査料金
一般健康診断(定期健康診断)は、5,000~13,000円程度で可能です。どの検査項目を選ぶかで料金も変わってきます。また、オプション(プラス1,000~3,000円程度)で、感染症やアレルギー検査なども追加で検査することも可能です。
その他・注意事項等
検査時間
検査時間は混み具合にもよりますが、1時間~1.5時間ほどです。持ち込みOKの施設もありますので、携帯や読書などで待ち時間を過ごしましょう。
生理中・妊娠中の健診
生理中は、尿検査・便検査・子宮頸がん検査等で正しい検査結果が出ない可能性があります。そのため、別日での検診を推奨します。
妊娠中は、レントゲン検査(胸部・胃部・マンモグラフィ)・子宮がん検査・体脂肪測定・CT検査・MRI検査は受診できませんが、それ以外の検査には支障ありません。受付にて申し出ましょう。
心臓ペースメーカー使用の健診
MRI検査・CT検査・体脂肪測定・マンモグラフィ等、一部使用できない検査がありますので、事前に申し出ましょう。
当日の注意事項
健診当日、体温が37.5度以上の方は受診できません。また、体調不良や感染症疑いのある人は、受診日の変更をしましょう。
当日の持ち物
- 健康保険証
- 受診ご確認票
- 検体容器(尿検査・便検査対象の人)
- コンタクトレンズケース(コンタクトレンズを装用されている人)
- 指定の診断書や項目表・オプション検査の申込書
- お薬手帳(内服中の薬のある人)
当日の服装
検査着の下には無地のTシャツまたはインナー(カップ・プラスチック・金具などないもの)に限り着用可能です。Tシャツ・靴下のご用意はございませんので、必要な方はご自身でお持ちください。
スリッパは除菌処理しておりますが、共用となっています。気になる方はご持参ください。
飲水
※薬の服用をされている場合には、主治医の先生にご確認いただき、必要があれば健診の3時間前までに少量の水で飲みましょう。
検査①:血圧測定
血圧とは、血液から血管の壁にかかる圧力のことで、普通は上腕の動脈について測定した値のことを言います。
心臓が収縮して血液を送りだしたときの圧力最大値を、最高血圧(収縮期血圧)といい、心臓が拡張して静脈側の血液を吸い込んだときの圧力最小値を、最低血圧(拡張期血圧)といいます。
最高血圧(収縮期血圧)が130以上、最低血圧(拡張期血圧)が90以上で高血圧となります。
検査②:身長・体重測定
身長・体重測定では、「BMI(ボディ・マス・インデックス)」から肥満症や低体重(やせ症)を計算する事ができます。
日本肥満学会の定めた基準では、18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによって、さらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病・高血圧などの生活習慣病などのリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。
検査③:視力検査
視力検査とは、対象となるものをどれだけ細部まで見分けられるかの能力を測るための検査です。
裸眼での視力が0.7未満の場合は近視・乱視が考えられます。日常生活に支障がある場合は、眼科で検査を受けましょう。
検査④:聴力検査
聴力検査では、低音と高音の両者が聞こえるかを調べます。
低温は1000Hzの30dB(音の大きさ)以下、高音は4000Hzの30dB以下の音が聞こえれば正常です。それ以上でないと聞こえない場合は、難聴や中耳炎などが疑われます。
検査⑤:心電図検査
心電図検査とは、両手足と胸にいくつかの電極をつけ、心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を波形として記録する検査です。痛みを伴うことはありませんし、短時間での検査となります。
記録した波形から心臓の状態を把握し、心臓のリズムが乱れる不整脈や心筋梗塞・狭心症などの異常を発見する事ができます。
検査⑥:尿検査
尿検査とは、尿中の蛋白や糖などを調べ、様々な病気やその兆候を知ることができる検査です。 尿中の蛋白は腎臓の病気、潜血は結石や腎炎等、糖は糖尿病関連、ウロビリノーゲンは肝臓の病気の可能性があります。
検査⑦:胸部X線(レントゲン)検査
胸部レントゲン検査は、胸部にX線を照射して、肺・心臓・両肺の間にある縦隔などの器官の異常を調べる検査です。
肺結核・肺炎などの肺の炎症、肺がん等の発見を主目的とします。精密検査が必要と判定されたときは呼吸器科専門医(大動脈・心臓の異常は循環器科)を受診してください。
検査⑧:血液検査
血液検査では、肝臓の異常、腎臓の異常、貧血、脂質異常症、糖尿病など数多くの病気の診断やリスクについて見つけることのできる検査です。
生活習慣病の中には、自覚症状が現れる前に病気が進行してしまっているものもあります。早期にリスクを知ることで、生活を改善したり予防に役立てることもできます。
性別・年齢別!受けた方がいい検査とは?
20・30代が受けた方がいい検査
- 定期健康診断
- 子宮頸がん検査(女性)
定期健康診断の他に、女性は「子宮頸がん」の検査を受けるのがおすすめです。子宮頸がんとは、子宮の入り口に発生するがんで、近年20~30代の患者が急増しています。
40代が受けた方がいい検査
- 定期健康診断
- 便潜血検査
- 乳がん検診(女性)
40代からは、大腸がんやポリープのリスクが増え始めますので、40代の方は定期健康診断に加え、「便潜血検査」を受けるのがおすすめです。
また、女性の場合は「乳がん検診」も大事です。乳がん検診の方法はマンモグラフィー検査がおすすめです。乳房専用のX線検査で、乳房を板で挟んで撮影し、がんの有無を診断します。40代以上の女性は2年に1度は受けるようにしましょう。
50・60代が受けた方がいい検査
- 定期健康診断(1年に1回)
- 胃内視鏡検査(2年に1回)
- 大腸内視鏡検査(5~10年に1回)
- 肝機能検査(飲酒習慣のある人)
- 肺機能検査(喫煙者)
50~60代は、がんになるリスクが増えますので、定期健康診断に加え、「胃内視鏡検査」を2年に1回。「大腸内視鏡」を5~10年に1回追加するのがおすすめです。
他にも、お酒をよく飲む習慣がある人は、血液を採取し肝臓の働きを調べる「肝機能検査」、たばこを吸う人は、呼吸の能力を調べる「肺機能検査」を受けましょう。
まとめ
病気は早期発見・早期治療が大事になります!定期的に検査を行いましょう!また、どの年代の方もすでに自覚症状がある場合は、健診ではなく今すぐ病院を受診しましょう。
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