スマホやパソコンの普及、おうちで過ごす時間の増加などによって「ストレートネック」という言葉を良く耳にするようになりました。
「首こり」「肩こり」「手・腕の痺れ」「頭痛」「めまい」などの症状にお悩みではないですか?もしかしたらあなたのその身体の不調はストレートネックが原因かもしれません。
肩こりや首の痛みをなくすために、「ストレートネックを改善したい」と考えている人も多いでしょう。そのままにしておくと危険な場合もあるので、きちんと治すことをおすすめします。
そこで今回は、ストレートネックの原因、改善・治療法をご紹介します!
ストレートネックとは?
ストレートネックとは、正常な首の骨が「く」の字のようにカーブしているのに対し、首の骨が真っすぐ(ストレート)になってしまった状態を言います。
人間の頸椎(首の骨)は、7つの骨で構成され、横から見ると、頚椎は体の前方に向かって緩やかにカーブした後、後方に向かってカーブしており、生理的曲線を形成しています。それを生理的前弯(ぜんわん)と言います。しかし、ストレートネックでは、首の骨のカーブがなくなり、直線的な配列になっている状態のことを言います。首の骨は7つあり、頚椎と呼ばれています。通常この7つの頚椎がからだの前方へ30~40度のカーブを描くように湾曲して並んでいます。
ストレートネックの原因
- 同じ姿勢での長時間のスマホや読書
- 悪い姿勢(猫背など)でのデスクワーク
- 頭の位置が高すぎる枕の使用
人間の頭は、体重の約10%(50kgの方では約5kg)の重さを占めると言われており、ボーリングの球を首の上に乗せて毎日を過ごしているようなイメージです。そのため、人間の首は「前弯」と言って前側に少しカーブしている関節構造であり、重い頭の重さを分散させ、衝撃を和らげることができます。
しかし、同じ姿勢や悪い姿勢での長時間のスマホや読書・デスクワークなどの生活習慣によって、「前かがみ」や「下を向く」という動作をすると、前弯が少なくなり、ストレート(まっすぐ)の関節構造になります。
すると、重い頭を支えることができずに身体のバランスが崩れてしまい、首や肩に負担がかかり、首・肩こりや痛みに繋がってしまいます。例えば、頭を15度前に傾けると、首には約12㎏の力がかかるなど、うつむく角度によって負担の大きさが変わります。
原因①:同じ姿勢での長時間のスマホや読書
ストレートネックを引き起こす原因は、一番の原因は「姿勢」です。特に「長時間の同一姿勢」がストレートネックを引き起こします。
近年、ストレートネックが増えている最大の原因は、スマートフォンやタブレットの普及にあります。スマートフォンやタブレットを見ている体勢は手元を見るために、「前かがみ」や「下を向く」状態になってしまい、頭が身体より前に突き出る、いわゆる「スマホ首」になりやすくなってしまいます。
前かがみや下を向く状態は、頭を支える首に大きな負担をかけてしまい、首のカーブが次第に失われていき、ストレートネックに繋がります。
原因②:悪い姿勢(猫背など)でのデスクワーク
デスクワークの際も、モニター画面に集中することで猫背などの悪い姿勢となりストレートネックの原因になります。
集中して画面を良く見ようとすると、頭が前に出てしまいます。すると、肩が前に回り、首と背中の上部の筋肉が伸びることで、胸の筋肉が伸びなくなると共に、首や肩の筋肉に負担となります。
原因③:頭の位置が高すぎる枕の使用
長時間のスマホやデスクワークの他には、枕の高さが原因の場合があります。
仰向けで寝る際、枕が高すぎてしまうと頭が持ち上がってしまいますので、下を向くのと同じ体勢になってしまいます。すると寝ている間にも首・肩に負担がかかりますので、関節や筋肉の負担となります。
ストレートネックの症状
ストレートネックの症状は、次のようなものがあります。
- 肩や首のコリや痛み
- 背中や腰の張り・痛み
- 頭痛
- 手足の冷え
- 手足のしびれ
- 背骨の変形
- ヘルニア
- 寝違い・首の可動域の減少
- 難聴・耳鳴り
- 眼精疲労・視力低下・疲れ目・ドライアイ
- めまい・ふらつき・吐き気
- 自律神経失調・のぼせ
- 顎関節痛・食い縛り
ストレートネックになってしまうと上記のようにさまざまな症状を引き起こしてしまいます。
前方に突き出た頭を支えるために筋肉に負担がかかり続けると、筋肉が過緊張になり肩や首のコリや痛みに繋がります。また、筋肉が過緊張になることで頭につながる血管や神経を圧迫していまい、頭痛や眼精疲労、手指の痺れやめまい、さらには自律神経への影響などの神経症状が出てしまうこともあります。
たかがストレートネックですが、慢性化してしまうことでさまざまな症状へとつながってしまいます。
ストレートネックのセルフチェック
ストレートネックとは、横から見たときに、頭が身体より前に突き出た状態のことです。
本来、耳と肩とくるぶしを結んだ線が床に対して垂直であるのが正常になります、壁にかかとをつけて意識をせず立ったときに頭が離れているとストレートネックとなります。
▼壁を背にして楽な姿勢で立つ
▼肩甲骨・お尻・かかとが壁に付ける
※この時に後頭部が壁につかない場合や無理をしないとつかない場合は、ストレートネックの可能性があります。また、頭の位置が一番楽なポジションが、普段頭があるポジションになります。
ストレートネックの治し方!改善・治療法
原因不明の肩こりや頭痛・めまいなどは、ストレートネックが原因の場合が多くあります。
同じ姿勢での長時間のスマホや読書、悪い姿勢(猫背など)でのデスクワークに心当たりのある方は、ストレートネックの改善・治療法を試してみましょう!
改善・治療法①:あご押し体操
ストレートネックは、頭が身体より前に突き出ている状態ですので、あごを押して頭を正常の位置に戻しましょう!
▼顔は正面を向き、軽くあごを引きます
▼あごの先端に指を置き、真後ろに押しましょう
※数十秒を2~3回繰り返しましょう
※同じ姿勢での長時間のスマホや読書・デスクワークの合間に行いましょう
改善・治療法②:首の後ろの筋肉のストレッチ
ストレートネックは、首の後ろの筋肉が短くになってしまいますので、首のストレッチを行いましょう!
▼タオルの両端を持って、首の後ろにタオルを当てます
▼頭を後ろに倒しながらタオルを持った両手を上に引っ張りましょう
▼そのままの状態であごをゆっくり引き、その状態を10秒間維持します。
※これを5回程繰り返しましょう
※タオルがない場合は、両手で首の後ろを持ってあごをゆっくり引くだけでもOKです
改善・治療法③:首動かしストレッチ
ストレートネックは、首の後ろの筋肉だけではなく、横の筋肉も短くになってしまいますので、首のストレッチを行いましょう!
▼棒のように丸めたタオルを首の下に置いて寝転びます
▼首を右に傾け、その状態を10秒間維持します
▼次は首を左に傾け、その状態を10秒間キープします
※これを5回繰り返しましょう
ストレートネックの予防法
ストレートネック予防のために、日常生活で気を付けるべきポイントを4つご紹介します!
予防法①:同じ姿勢での長時間のスマホやデスクワーク・読書を避ける
前かがみや下を向く状態は、頭を支える首に大きな負担がかかります。また、かけてしまい、筋肉の硬直や血行不良にもつながり、ストレートネックに繋がる恐れがありますので、長時間のスマホゲームや動画視聴・パソコンなどによるデスクワークには注意が必要です。
それでも、どうしても長時間同じ姿勢を続けなければいけない場合は、適宜休憩を挟むようにしましょう。目安としては、20〜30分に一度立ち上がったり、首や肩甲骨などのストレッチをしたりして、姿勢を変えたりするのがおすすめです。
予防法②:デスクワーク時の姿勢に気を付ける
デスクワーク時の姿勢が悪いと、ストレートネックに繋がる恐れがあります。そのため、デスクワークをする際は、姿勢が崩れていないか以下の姿勢を心がけましょう。
- 骨盤を立てて座る(背もたれはつけずに座る)
- 両足を地面にしっかり付ける(足を組んだり、挙げたりしない)
- 猫背にならない
- モニタは目の高さにする
予防法③:身体に合った枕を選ぶ
頭の位置が高すぎる枕は、寝ているときに首や肩の筋肉が緊張して硬くなってしまいます。そのため、自分に合った高さの枕を使用するようにしましょう。
枕の高さは、仰向けになった際に頭・首・背のラインがS字にフィットするのが良いとされています。仰向けや横向きになっても、おでこ・鼻・アゴのラインがまっすぐ or ややアゴが引ける姿勢を目安にしましょう。
枕にはストレートネック防止用の枕もありますし、バスタオルなどで少しずつ微調整することもおすすめですので、是非お試しください。
予防法④:体幹を鍛える
美しい姿勢や体型をキープするためには体幹が重要となります。特に、腹横筋や多裂筋といった重要となりますが、プランクはどちらも一緒に鍛えることができますので、ストレートネックの悪化を防止する効果が期待できます。
プランクのやり方は、下記のとおりです。
▼うつ伏せになります
▼肘を90度に曲げて、肩の真下の位置で床につけます
▼腕・肘・つま先を地面にしっかりつけて身体を浮かせます(その際に身体がまっすぐになる事)
▼頭から足が一直線になるようにキープします
※15秒~30秒を3セット程度を目安に行い、慣れてきたらキープする時間を少しずつ長くして、負荷を上げていきましょう
まとめ
スマホやパソコンの普及、おうちで過ごす時間の増加などによって「ストレートネック」に悩んでいる人は増加傾向にあります。
ストレートネックの改善・治療法としては、同じ姿勢での長時間のスマホやデスクワーク・読書を避けたり、デスクワーク時の姿勢に気を付けるなど、日常生活の改善も重要となります。
ストレートネックは、「首こり」「肩こり」「手・腕の痺れ」「頭痛」「めまい」などの症状に加え、悪化すると手術も必要となる場合もありますので、早めに改善していきましょう!
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